「秋草文様」は、着物の柄や屏風絵、蒔絵などに用いられる日本の代表的な模様である。
手元に「日本美術の流れ」(源豊宗著、思索社、1990年)という本がある。著者の源豊宗氏は、日本を代表する美術史家で仏教美術が専門とのこと。その著書によれば、日本の装飾意匠には、好んで秋草が用いられている。日本美術を貫いて流れる美意識ないし美的表現は情緒主義であり、その象徴的なものとして秋草がある。つまり、秋草は日本美術の本質の象徴であるとのこと。
・・・秋草を眺めながらいろいろと思いをめぐらせる。そのこと自体がいかにも情緒的であり、日本的ということだろうか。